Monologue

静かさや 岩にしみいる 蝉の声。

( 2020 / 08 / 17   群馬県桐生市 吾妻公園にて )

私の父は絵を描くのが昔から好きだった。小学校の時、父は友達の夏休みの宿題の絵を描いてやったことがあるそうだ。

 病床でも絵が描きたいと言っていたので、私は父に絵具と絵具皿と筆をセットで買ってやったことがある。2006年の6月のことだ。渡した時、すっごく嬉しそうな顔をしたのを覚えている。そうしたら俄然、絵を描きだした。これもその中の一枚である。私がとくに気に入っている一枚だ。なすの色が本物のなすのようだ。その夏、いろいろな絵を描いていた。動物も、静物も、植物もさまざまなものを手当たり次第、描いていたようだ。描き残したものはないか、描き足りないものはないか、、、やっぱり父は絵が心底好きだったのだ。

 父は その年の10月2日、静かに旅立っていった。その後、私は父の残した絵でカレンダーを作った。「8月」はもちろんこの「とうもろこしと茄子」である。

日光東照宮の眠り猫ははたして「オス」か?「メス」か?このネコの壁を隔てて後ろには、さえずる数羽のスズメの姿がある。耳障りな音の中でも安眠できるほどの江戸の「泰平の世」をあらわしているのだとか。。。

 かえって、昨今の物々しい世の騒ぎに、こやつはこれから目を覚ますことがあるやもしれぬ。

今にも雨を降らせそうな雲が空に低く垂れ込めている。でも、そんなこととは関係なしに悠然と泳いでいく鯉たちがいる。「濡れることには、こちとら慣れているんでぃ(京都なのに江戸っ子風?!)」とばかりに進んでいく。無音の情景が流れていく。時折、彼らの潜る「ポチャっ」という音が、現実に引き戻してくれる。それにしても京都の夏は 恐ろしく蒸し暑い。

( 京都 長岡天神にて )

「たこ焼き」といえば「大阪あほや」のたこ焼きだ。そしてあほやといえば「ぺちゃ焼き」だ。ぺちゃ焼きっていうのは、鉄板の上に目玉焼きを焼くように卵を落とし、その上にとろけるチーズをのせる。そして最後に「たこ焼き」を乗せ、べちゃーっとぶっ潰す。はい、そしてそれをヘラで返して完成!マヨネーズビームをぴ・ぴ・ぴーーっとかけ、さぁ 召し上がれ。

「暑い中、ご苦労さまです」と声をかけてもしらんふり・・・忙しいにせよ、もう少し愛想よくしてほしいと思いながら、もう一度注意してよく見たら、「案山子(かかし)」だった。通りで何も言わないわけだ。

 最近の案山子たちは実にファッショナブルである。帽子などは私がかぶっているものより格好いいのを身にまとっている輩もいる。案山子のコンクールまで行われている昨今であるが、AI搭載のしゃべって動く農作業用ロボットの仕事のひとつとして「案山子役」などという時代が、近い将来くるかもしれない。

今日は七夕である。それなのに 九州では記録的な大雨による被害が拡大し、東京ではコロナウィルス感染者が6日連続で100人を超えている。七夕飾りがむなしく映る、夢も希望もない7月7日である。せめて、真面目に祈ろう。1日も早く みんなが心から笑える日が来ますようにと・・・

( 2020年 7月7日 )

ファストフードに「老舗」という言葉はあてはまらないのかもしれないが、少なくとも私の小学生時代からあった「ロッテリア 大宮第二公園店」が閉店した。このたびのコロナウィルス騒ぎの影響も多分にあるのだろう。大宮第二公園と第三公園の入り口に面したところにあって、公園を訪れた人たちにとっての憩いの場であったはずだ。どこにでもあるファストフードの一店舗に過ぎないのであるが、実に寂しい。跡地に何ができるのかはまだわからないが、「憩いの場」を踏襲してほしいものだ。( 2020年 6月 )

 小学校3年生の時、「その人は」現れた。当時の私にとって、「スーパーヒロイン」だった。その名は「ゆりアンヌ」。ウルトラセブンの中の「ウルトラ警備隊」唯一の女性隊員である。当時、国鉄大宮駅の『駅ビル』が出来あがった時、その屋上ショウに「ダン隊員」「アマギ隊員」とともに颯爽と現れた。遠くからだったが「生・アンヌ隊員」を一度だけ拝んだ瞬間だった。

私にとっての「スーパーヒロイン」は 後にも先にも彼女ひとりである。

飛べない鳥、「ペンギン」。 でも、ここにいる君たちは、ちょっぴり「飛んだ」気がしているかもね。

(池袋 サンシャイン水族館にて)

 東京のど真ん中にも神社・仏閣はある。不思議なもので、境内に入ると、都心の喧騒が嘘のように車の音とは無縁の世界が、そこには広がっている。何百年も前に、同じこの境内に江戸の町衆が立っていたかと思うと、なんだかうれしくなってきた。いったい彼らは 江戸の町で何を祈っていたのだろうか。

【東京都 日枝神社にて】

ツツジとサツキ
ツツジとサツキ

 「春爛漫」ということばがある。

「いやぁ、春だなぁ、春だ、春だ、春が来た」と叫びたくなるような陽気のことを きっというのだろう。春といえば「花」咲き乱れし季節である。「百花繚乱」ということばもあるが、その言葉が表す季節は、まぎれもなく「春」だろう。いや、ぜったい春のはずだ。

美しい花、美しい季節。。。

それを今、愛でることができるだけでも最高の「贅沢」というものである。

(2020.5月)

埼スタ2002
埼スタ2002

僕らはここで熱い戦いが始まる「その日」を 心待ちにしている。

( 2020.5月 )

第二章『とおりすがり/わびすけ』はこちらからどうぞ。
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